0018 北 ミナミ (50/67)

けど、早くしないとアンジュ死ぬだろ。


あーしはアンジュを抱きかかえながら、高校まで歩いて行った。


アンジュの歩く速度がさっきより更に遅い。


ほとんどあーしが引っ張ってる状態だし。


「ほら あと少しでリュウオウさまに電話できるから」


「うん」


何で、あーしがアンジュを励ましてんだよ。


リュウオウの学校から離れ、あーしらの高校が見えて来た。


本当にあと少し。保健室に行って、リュウオウを呼べば。


フジコならアンジュのケガをどうにかできるかも知れないし。


むしろ、アンジュを裏切って、あーしをMモードの縛りから解放 。


そう思った瞬間、何とも言えない嫌悪感を感じた。


腹をアッパーされて、頭をグワングワン回された様な不快感。


なんか、やっちまった感に近い、罪悪感。


嫌悪感、不快感、罪悪感、憂鬱感、全部混ぜて、腹一杯飲まされた様な。


主人への裏切りを考えると、こんな重い気持ちになるのかよ。


けど、アンジュの手当てを考えれば、その気持ちも薄れる。


Mモードって、こんなに複雑な気持ちなんだ。


自分の中に、もう1人の理不尽で誠実でドMな自分がいるみたいな。