0018 北 ミナミ (39/67)

直後に、ジュリアはビニール袋で傷跡を包み、流れ出る血をビニール袋で受け止めようとした。


「んふっ んっんんんん!!」


耳を塞ぎたくなる様な、ジュリアの鼻から漏れる吐息。痛々しいとかじゃねえ、可哀相とかじゃねえ。なんでこっちまで辛いんだし!


黒いビニールへ、トロトロと流れ出る赤い血液。ヌメヌメしてて本物の。


あーしも思わず目元が痙攣して、今にも目を瞑りそうになる。



赤。赤い。怖い。



「おっ え 」



あーしが吐きそうになる中、ジュリアが先にえづいた。



けどあいつは、そのまま顔をビニール袋に近付け、その中に吐いたんだ。



「ろ げっ べっ!ぶっ!」



チラッと見えたジュリアの口から出た物は泡っぽい透明で、胃液しか出てないんだと分かる。



胃液も無駄にしないで、血液を捧げようとするジュリアの姿。



やっと、あの意味が分かった。



神と崇める奴隷。



ジュリアの姿はまるで、自身を生贄にしたって望みを叶えようとする姿。



捕まって、SCMを壊して、縛られて、賭けて、孤独と恐怖の中、ジュリアは精神力だけで戦ってんだ。



こいつは本当にリュウオウを神と崇めてんだ。



信じる心がある限り、ジュリアは負けない。



リュウオウの為だったら、こいつはガンだって治すんじゃねえかって思った。