0018 北 ミナミ (37/67)
「おい まさか お前」
よく見ると、下にはビニール袋が敷かれてるし。
足?足の内股を切って血を計りにかける気?
「アンジュは アンジュはリュウオウ様のリュウオウ様の 」
ブツブツと何かを呟くジュリア。
「何だよお前!何なんだよ!?」
ジュリアの刃先は、自分の下腹部へ向いてる。
そうだ!こいつ妊娠!リュウオウの。
まさか取り出す気?
胎児を。
「っざけんな!バカ止めろバカ!」
「はあっ はあっ」
あーしの叫びの直後、部屋がジュリアとウチの呼吸音だけになる。
縛ったはずの袋からの臭い。けどあーしもジュリアもそれどころじゃないし。
心臓がダックンダックンと、喉元を揺らしてる。
ジュリアの手もよく見ると震えてる。こいつもギリギリなんだ。余裕じゃないんだ。