0018 北 ミナミ (24/67)
「何が言いてーんだよ!」
「別に ただあのクジね 缶の底側に挟まってた」
ジュリアが手を伸ばしたのは、段ボールから爪切りを取り出す為だった。
ビビってんのか、あーし。
つか、底側?
「缶の下の隙間に挟まってたの 取って下さいと言ってるみたいに」
爪切りはもう1つある。
あーしも段ボールから爪切りを取り出し、ジュリアと一緒に爪を切り始めた。
パチンッ パチンッ
部屋に爪を切る音が響く。
あーしは深爪するんじゃねえかって程、爪を切る。
「偶然かも知れないけど もしかしたら作った人の差し金かも」
クジを作ったのはツバキ。
「あの勝負を考えたの ツバキ先生とかなんでしょ?あなた 仲間にハメられたのかも」
あーしはそれを教えてないはずだから、ジュリアが言ってるのは全部ハッタリだ。
敗北感を誘発させる為の嘘だ。
「そーいう お前だって 未だにリュウオウさまは来ないだろ 見捨てられたんじゃねーの?」
パチ
ジュリアの爪を切る手が止まった。