0018 北 ミナミ (20/67)
「もう 逃げられない 勝負するしかない」
ジュリアの声が、部屋と脳にこだまする。
「テメー!狂ったフリしてたのか!」
あーしはジュリアから手を離し、そう叫んだ。
ジュリアは手も足も縛られてるけど、乱れた髪の間からあーしを睨む。
「そうでもしなきゃ あんたは負ける可能性のある勝負はしなかった」
ジュリアの焦点は、あーし一点に集中し、正気を通り越して強い意思を感じた。
こいつ!こいつこいつこいつ!
ヨダレも床の文字も!
今までの全部、全部演技だったんだ!
「それに アンジュは本当におかしくなりそうだった」
「は?」
アンジュ?確かジュリアの本名。
こいつ今更何で本名で自分を呼ぶ。
アンジュと名乗り出したジュリアは、床に書いた自分の文字を見る。
「けどね?アンジュの中のリュウオウ様が助けてくれたの」
リュウオウの話をしだすと、ジュリアの表情が急に泣きそうになった。