0017 江戸川 リュウオウ (43/58)
けど。
「取り過ぎだ」
「アガッ!」
僕の呟きとほぼ同時に、ゲッコウの奇声。
奴も気付いたんだ。
あと1mmでも動かしたら、棒は倒れる。
そんなレベルまで、ゲッコウは砂をさらい過ぎていた。肘(ひじ)まで使って。
僕にとっては、使えない奴隷がまた1人増えるだけだけどさ。
「あーあ」
ゼロの余裕の微笑み。
「べらぼうにマズイってゆーね」
比べてゲッコウは無様に這いつくばって砂山を囲い、なぜかケツまで浮かしてる。
それでも、ヘタに動かしたら棒が倒れる。
壺に入ったアメを握り、壺から手を出せなくなった猿みたいな男。
手を離せばいいものを、諦めが付かないのか気付かないのか、それが実行できない愚か者。
本当、情けなくなる程無様だ。
「ヒャーーーーーハッ!!」
「あいつ!まさか!」
何をおもい立ったのか、ゲッコウは更に奇声を上げて、一気に砂を巻き込んだ。
多分、本人にとってはイチかバチかの賭けに出たんだろう。