0017 江戸川 リュウオウ (41/58)
「開始の確認?そんなにあいつが信用出来ないの?」
ナスカが僕にそう言ってくる中、ゼロも呆れた様子で自身から離れる僕を見ていた。
ゼロに背中を見せ、僕は砂場の端に座る。
「うん」
「先行は我か」
ゲッコウはそう言いながら、砂場に屈み込み、砂の山を見る。
僕の中で予測ヴィジョンが浮かぶ。
無数の砂によって作られた文字通りの山。
そこから砂を抱え込み、砂を崩し、対戦者の不利を促(うなが)す。
そして、山は食い尽くされたリンゴみたいな形になり、棒を支えるバランスも崩れていく。
単純だけど、勝敗の定義が明白なこの勝負。
多分、ゼロにはイカサマや勝率を上げる算段は無い。
もちろん、この僕にも。
今のゼロは100%信用出来ないけど、あの自信や勢い、破天荒さ自体が有利と判断した。
何より、面白い物が見れると思ったんだ。
僕が思考してる間に、ゲッコウは手を広げ、大きな輪を作る。そしてゆっくり引いた。
奴は砂を掻っ攫って無事やり過ごす。次にゼロも難なく砂をさらった。
そして2周目のゲッコウの番。
奴は、砂の山の全体を包む様に囲った。
「あー いきなりかっさらう気だ あいつ」
ナスカの言う様に、ゲッコウは2回目のこれで、一気に砂山を切り崩す気だ。