0017 江戸川 リュウオウ (40/58)
昼前の公園で、ゼロとゲッコウの棒倒し勝負が始まった。
僕は鉄で出来た砂場の枠に腰掛け、ナスカも隣でしゃがんでる。
砂場内にいるゼロとゲッコウの目前には、連中の膝くらいまである砂の山。
天辺には、30cmくらいの木の枝が刺さってる。
あれが、さっきゲッコウとゼロがせっせと作った棒倒し砂山だ。
18歳にもなって夢中で砂の山を作る連中と、僕の隣には女装した男。
こんな大人達にはなりたくないと思った。
先行後攻は予めにしたジャンケンで決めてる。
先行はゲッコウ。
後攻はゼロ。
「互いに砂をくずし合い 棒を倒した方が負けだ」
ゼロはそう言いながらSCMを付けた。
ルールは幼稚園児でも分かる程に単純。
その間、僕は携帯のGPSを見ていた。
画面にはゲッコウの緑反応と黄色の反応。
ゼロはやっぱり黄色、僕の奴隷。
僕は携帯を閉じ、ゼロに近付く。
これから勝負を開始する直前、ゼロの頬に指を添えて軽く押した。
なんかゴリッとするけど歯か。
「ん?どふしたリュウフォウ」
僕の行動を、ゼロは喋りにくそうに聞いてきた。
「いいから勝負を始めろ」
僕がそう言うと、へこんだ頬のゼロがゲッコウを見た。
「ヒャハッ!OKだ!」
ゲッコウの言葉の直後、ゼロの頬からカチカチっという合図が鳴るのを、指先から感じた。