0017 江戸川 リュウオウ (36/58)
「いきなりテッペン取ろうとする心意気は認めてっから おれが勝負してやんだろーが!」
何だ。このゼロの攻撃性。
ゼンイチがピストルなら、こいつは。
「割れたガラスみてえな奴だな」
タイジュの言う通り、ゼロの勢いは鋭くて脆(もろ)く見えた。
「多勢でもフェアにやんだからありがたく思え ドベッ!」
ゲッコウにそれっぽい説教をするゼロ。
誰もそんな事言ってないけどね。
別にゲッコウを多勢で叩きのめしてもいいと思ってた。
「いいよ 勝負しなよ」
けど今のゼロには、この場を仕切る空気や迫力がある。
「リュウオウ!」
面白いなあ。
「見せてよ あんたらの勝負」
僕がそう言って腰に手を当てると、ゼロはゲッコウを離し、興奮が残る瞳と頬に作ったえくぼで、こちらを見てきた。
「あいよ大将 いーいもん見してやるよ」
当たり前だ。
今朝まで何もかもが面倒臭くて、冷めた気持ちだったけど、僕の興味と胸が今とても熱くなってワクワクしてる。