0017 江戸川 リュウオウ (18/58)

「くそっ!」



鼻の奥の刺激。



まぶたを開けていられなくなりそうな眼球の強張(こわば)り。



なぜ僕は泣きそうなんだ!



なぜあいつの手の平の温もりを、今僕は欲しがってる!



ママがいない家に、あいつがいるだけで僕は、僕は。



満足してたんだ。



他の奴隷が増えても、あいつがいてくれただけで興味や好奇心が薄れてった。



ママが今のままでも、寒い部屋でも。あいつがいれば。



発狂しそうな状況と環境の中、泥水を啜る地獄の中、僕はあいつの存在に救われてた!



あいつのバカな、無邪気な笑顔に、僕は!



「あいつを取り戻す !」



誰もいない、高校の外れの道路で、しゃがみ込んだ僕は強く呟いた。



僕の腹に熱がこもる。



取り戻して、取り戻して確かめてやる!



「おい 小僧 大丈夫か?」



思考の先で答えを見つけた時、男の声がした。