0017 江戸川 リュウオウ (11/58)
フジコの名前を押すと090から始まる、あいつの番号が表示された。
そして呼び出し音が鳴った直後。
「もしもし?珍しいわね」
電話から、すぐにあの女の声がした。
「ジュリアはどこ?」
僕はすぐに本題を切り出す。
「あら せっかくの電話なのに 用事はあの子の事?」
「ジュリアはどこ?」
「寝返った私や目黒さんはどうでもいいの?」
無駄話をする気は無い。
「寂しいじゃない」
「ジュリアは」
「でも無機質な人かと思ったのに 意外と情はあるのね」
「同じ事を何度も言わせるな」
「ねえ 知ってた?」
僕の訴求に対し、フジコは話を反らそうとする。
「あの子 あなたの赤ん坊を妊娠してるの」
視界の外れに、また蝶が。
僕は沈黙を守りながら、辿り着いた高校を外回りに歩く。
「心当たり あるでしょ?」
ジュリアが電車で手を繋いできた、あの日。