0017 江戸川 リュウオウ (12/58)
「本当の事よ けどあなたにはどうでもいい事よね?たかが奴隷の子だもの」
やがて、昨日中央達が待機していた高校の裏門付近に辿り付いた。
2M以上ある柵を隔てて、木々の先に家庭科室らしき校舎が見える。
その間も相変わらずフジコは話し続けていた。
「本人がどう思おうと あなたから引き離した方があの子の幸せになる」
幸せ。
「だから ジュリアはどこ?」
電話の向こうで、フジコが鼻で笑う声が聞こえた。
「フフ 情もあるとは思ったけど あなたって まるで ロボッ プッ」
フジコがそう言った瞬間、僕は電話を切った。
「ふん」
間抜けな最後の言葉。
何か得るものがあるかと思ったけど無駄だった。
でも目黒もあっちに付いたのは確定か。
黒い柵の先の校内からはチャイムが聞こえる。
僕は、何をしてるんだ。
この場にいても無駄なのに。
ポケットの中、ハンカチに包まれたSCMを握る。