0017 江戸川 リュウオウ (9/58)

僕は早歩きしながら携帯電話を取り出し、電話帳の奴隷フォルダを開いた。


ジュリアと目黒とフジコを除いたフォルダには、8人の奴隷達の名前が並んでいる。


今の状況で誰にも言わずに1人で行動するのはまずい。


中央を呼び戻すのが1番手っ取り早いけど、中央は避ける事にした。


さっきのやりとりの後で、今更ジュリアを探そうとしている僕を見せるなんて嫌だ。


足立シヲリもこれから中央と会う。


ゼンイチは論外で呼ばない。


というか会いたくない。あいつ好きじゃない。


それらを除いて、ここから1番近くに住んでいるのは。


中野タイジュ。


僕はタイジュの欄でボタンを押し、発信した。


「あ はい もしもし」


コール音の後に、電話の先からは少し高いタイジュの声がした。


「今からジュリアが通っていた高校に来い すぐ」


確か仕事は休みのはずだ。


「えっと それって」


「ジュリアを 探す」


自分でも何を言っているのか分からなかった。


恥ずかしくなってくる。


ただ、視界の外れで蝶々がヒラヒラと彷徨いながら飛んで行くのだけが目に付いた。


「分かりました」


タイジュが僕の命令を理解した瞬間、僕の脳裏に何かがよぎる。


「女装して来い」


「え?」


使えるか分からないけど、タイジュには女装して来てもらう。