0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (78/79)

バタンッ



何かの音で目覚める。


部屋の明かりは点いたまま。誰も、いない。


今のは、ドアが閉まった音?


えっと?


頭ん中がグチャグチャする。イライラする。


あれからどのぐらい時間が経ったのかな。


もう、ジュリア、頭おかしくなっちゃったのかな。足はまたガチガチに縛られて、更に鎖で繋がっている。


手も身体の正面だけど縛られてる。


足に繋げられた鉄の鎖を辿ると、部屋の上、エアコンの配管に繋がれていた。引っ張ったら壊せそうな手応えはあるけど、エアコン自体が邪魔で鎖の輪が外れなくなってる。


その場にある物を適当に使って、ジュリアの自由を奪った感じだけど、千切る事も解く事もできない縄の固さと鎖の冷たさ。


もう、よくわかんない。


ジュリアの目の前にはなぜか、ペットボトルの水とチョコレートがあった。


そして黒のマジックが1本。


芋虫みたいに這って、縛られた両手でマジックを掴む。


「リュウオウ様」


黒いマジックで、フローリングの床に文字を書いた。


助けて


世田谷ツバキ 練馬ヨシムネ 北ミナミ


台東フジコにころされる


ころすって漢字、どう書くんだっけ?


ジュリアが死んだら、誰か見るかな?


もう一度 助けて と書くと、胸がぐっと押し上げられ、鼻の奥がツンとした。