0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (79/79)
助けて
リュウオウ様
リュウオウ様の目、耳、髪の毛、唇、鼻。
アゴのラインは、柔らかくて。
黒目が大きくて、髪の毛はクルンと。
無意識の内に、ジュリアはリュウオウ様の顔を描き始めていた。
「リュウオウさま」
けど、描いた絵は記憶のリュウオウ様と違う。もう一度リュウオウ様の顔を描こうとする。
キュ キュッ
目覚めた後の夢みたいに、リュウオウ様の顔が思い浮かばない。
「あでぇ?」
うまく描けない。
うまく描けないよぉ。
口の中に、何か足りないんだ。
「クチュ グチュ」
指を入れて探すけど無いの。
必死でリュウオウ様の顔を描こうとするのに。
足りないの。何か。
思い出せないの。何も。
キュッ キュッ
「リュウオウさまぁあ」
さなぎをやぶり。
「ちょうはまうぅ」
いつまでも。
「いつまでも」