0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (76/79)

フジコはスカジャンの男にジュリアを押さえさせ、ジュリアの腕に注射器を近付ける。


「やっ!いや!離せ!」


「頼むから動かないでね 外れるとあなたの腕が太ももぐらいに膨らむわよ」


暴れようとしたけど、その一言で固まった。


「イッ」


注射器の鋭い痛み。


「まっ 太ももは嘘だけどね」


フジコはそう言いながら、ジュリアの腕に絆創膏を貼る。なんか、もう嫌だ。


「それ 直せる?」


フジコの視線の先に、ジュリアが吐き出したSCMの欠片を拾い、それを眺める世田谷ツバキがいた。


「1つ聞きたい」


世田谷ツバキはフジコの質問に答えないまま、ジュリアを見た。同時にジュリアのまぶたが重くなる。


超眠い。


さっきフジコが打ったのは睡眠薬。


ダメ。無理。


思考が断片的に。