0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (75/79)
「リュウオウの為?」
フジコがジュリアの顔に近付いてきた瞬間。
「ぶっ!」
ビチャ
血が交じった鉄臭いツバを、フジコの顔に当ててやった。
「死ね!裏切り者!」
バチンッ!
「いっ!」
フジコは血し吹きを食らっても、表情を崩さないまま、またジュリアの頬を叩いた。
「私は嘘を付いてない あなたは嫌いじゃない」
フジコは世田谷ツバキから受け取ったハンカチを顔に当てながら続ける。
「悪い事は言わないから大人しく従いなさい」
「うるさい!黙れ!ブス!」
ブスと言った瞬間、フジコの表情がピクリと動いた。
「仕方無いわね」
そして、後ろに置いてあったカバンから何かを取り出す。見えないくらい細い針、透明なガラス。
注射器。