0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (72/79)

部屋に時計は無いから、確認は出来ないけど、最後にSCMを外してからもう12時間以上経っているはず。


外せば外す程、付けたくなる中毒性。付けていなきゃ落ち着かない。


付けたい。


付けた時に、歯茎に差し込む心地のいい痛みが病み付きになるの。


「付けろよ さっさと」


SCMを口に近づけ、ゆっくりと唇を開ける。世田谷ツバキが微笑んでる。


トロンとした甘い諦めがジュリアの喉元を包む。湧き上がる唾液が甘く感じる。


このまま、北ミナミ達の奴隷に。


リュウオウ様の敵に。


リュウオウ様の敵に?


背中。 蛹。 蝶。


リュウオウ様の敵。



絶対、嫌だ!



ガチッ!



ジュリアはSCMを全力で噛んだ。



「おい!」



直後にツバキが手を伸ばす。



「やめ 」



パキャッ!



ジュリアの口の中で、小さな炸裂音が鳴った。