0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (71/79)

「僕は手荒な真似は嫌いだと言いました」


「ちっ」


北ミナミが更にジュリアを蹴ろうとすると、世田谷ツバキが止めに入った。


「葛飾さん この状況では成す術はありませんね?」


世田谷ツバキは子供に言い聞かせるみたいにジュリアを見た。


「諦めて 奴隷になりましょっか?」


そう言って、ジュリアの目前にSCMを掲げた。見えた型番は0016。ジュリアのSCMだ。


「ツバキ!フジコはやったんだからジュリアはあーしにくれるって言ったじゃん!」


後ろにいた北ミナミがそう叫んだ。


「ハハッ はいはい」


フジコは世田谷ツバキの奴隷なんだ。まるで獲物みたいにジュリア達を共有してる。


どうして。っていう疑問よりも、人間を平気で物扱いする北ミナミ達に異常を感じた。


こいつら、歪んでる。


世田谷ツバキはニコニコした笑顔を崩さないまま、ジュリアにSCMを差し出していた。


ジュリアは手を伸ばし、それを受け取った。手に、髪の毛を束ねるバレッタみたいな感触。


この場からは逃げられない。ツバキ達の奴隷になるしかない。


練馬ヨシムネに灰皿のタバコを口の中へ入れられたのを思い出す。拒否したら、何をされるか分からない。