0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (70/79)
「みんな!みんな殺してやる!」
布を外され、ジュリアは真っ先にそう言った。
ボフッ!
「あぐっ!」
直後に北ミナミの爪先が、ジュリアの溝落ちを突き刺す。
「この状況でよくそんな事言えんな」
「うっ おえっ」
手足は自由だから、このまま北ミナミの足を掴んで転ばしてやろうとも思った。けどジュリアは自分のお腹を守る様に、両手で押さえる。
頭の中によぎったの。
お腹。
赤ちゃん。
ジュリアとリュウオウ様の。
反撃したら、もっと蹴られる。殴られる。
「んだよっ バーカ」
今はダメ。
見上げた先の北ミナミの瞳は、ゴミを見るみたいにジュリアを見下していた。