0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (65/79)
「ふぐっ!ぶっうう!」
抑えられた口からは、間抜けな悲鳴しか出なかった。
バチンッ
声を上げた瞬間、頬を叩かれる。
痛い。
何でジュリアに、こんな酷い事するの。
すぐに細長い布を口に当てられ、声を殺された。後部座席にスカジャンと北ミナミ。
「あははっ」
スカジャンがジュリアの手足を押さえ付け、北ミナミは笑いながらジュリアの手足をガチガチに縄で固めてきた。
キツイ。手首の血が止まりそう。
「これで2人目」
前の席からツバキの声。
2人目。フジコとジュリア。
車のドアが閉まった後、すぐに移動したのが分かった。
ジュリアが、さらわれたんだ。
「言っておくけど あんたの仲間は来ない」
ジュリアの耳にかかる吐息。北ミナミが更に低い声で話しかける。
中央さん、ゼンイチ。みんな。
「うちの仲間が 15人で襲ったら 散り散りに逃げて行ったし」
中央さん達を襲った。フジコが裏切った。
色々聞きたいけど、さるぐつわが唇の端が千切れる程締め付けて発言を許さない。