0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (66/79)

ガサッ


「んっ!」


更に紙袋か何かがジュリアの頭を覆った。


「なんちゃって女子高生誘拐事件」


北ミナミの声から、笑いを我慢するみたいな鼻息を感じる。


ドンッ ガッ


暴れても強い力で取り押さえられた。ジュリアには、もうどうする事も出来ない。


呼吸する度に膨らむ紙袋だけが、ジュリアに嫌って程今の状況を思い知らせた。


目隠しを外されたそこは、どこかの部屋だった。


窓にはカーテンの代わりに段ボールが覆われ、部屋にはイスと毛布、あと箱型の段ボールも。


それらしか無い、殺風景な部屋。


さっき、ジュリアは丸ごと抱えられてエレベーターに乗った。ここ、多分マンションなんだ。


ジュリアはフローリングの床に座らされ、手の縄だけ解かれていた。


見上げた先には北ミナミと、世田谷ツバキ、いつの間にかフジコもいた。そしてスカジャンの男と、見た事がある人。


「ジュリアちゃん 相変わらずバカだねえ」


練馬。練馬ヨシムネだ。


「次は殺すって言ったよね?」


「ふぁんふぇっ!」


何で!


手足と視界は自由だけど、さるぐつわはまだ外されていない。