0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (59/79)
「嘘です」
「は?」
口元は常に笑っているけど、夕焼けで光ったメガネの先は冗談か本気か分からない目をしている。
「ハハッ 緊張してるかと思って」
笑えない。たちが悪いっていうか、何かズレてるっていうか。
授業中の印象とは違う、ふざけた感じがイラッとする。
あと数分で駅のロータリーという所で、民家の塀の角を左に曲がる。
「このJには2つの意味があります」
2つの意味?
「普段はJudgment(ジャッジメント)SCMと呼んでいます」
ジャッジメントって確か、判断とか審判って意味だよね。最近英語の授業で見た気がする。
ジャッジメントSCM?審判のSCM?そんなに特別なの?何ができるの? っていうかもう1つの意味は?
「あなたが作ったの?」
沢山の疑問の中、フジコ先生は違う事を聞いた。
「はい コントロールメソッドのシステムは僕が作りました」
「へっ?」
こいつが、黒い反応のSCM制作者。
まさか高校の理科の教師だったとは思わなかった。
ジュリアの携帯はいつも通り通話中にしてポケットの中。今の会話はリュウオウ様に伝わってるはず。
「何の為にばら撒いたの?」
そう、何の為にSCMをばら撒いたのか。
「ジャッマイカー!」
へっ?
質問の直後に、ツバキ先生は突然そう叫んだ。