0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (57/79)
「僕は一度職員室に寄ります」
ツバキ先生が目の前を通り過ぎた時、フワッと嗅いだ事のある臭いがした。やだ。この人ワキガだ。
「じゃあ私も行くわ」
え?何で?フジコ先生も職員室に行くの?
フジコ先生、何でツバキ先生と行くんだろ。逃げない為の見張り?かな。
「あんたは あーしと一緒に来い 逃がさねえし」
「逃げないし」
北ミナミの言葉に、イラッとしてそう返した。
「それでは 後ほど 正門で」
ツバキ先生とフジコ先生は、隣同士歩きながら家庭科室を出て行った。ツバキ先生の言葉を最後に、ジュリアと北ミナミも下駄箱へ向かう。
移動中は無言だったけど、隣にいるこの子を、今から誘拐するんだと思うとドキドキした。
北ミナミは黙っていたら、すごく可愛い。苺ましまろみたい。
「何見てんだよ」
なのに、声と言動が残念なんだよね。
ジュリアと北ミナミが靴を履き替えて、正門で待っていると、すぐにフジコ先生とツバキ先生がやって来た。
そして道路沿いの歩道を4人で歩き始める。
フジコ先生は無表情。ツバキ先生はニコニコしている。北ミナミは前だけを見て不機嫌そう。
みんな何を考えてるか分からない。