0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (55/79)
ジュリアが小さく驚く中、フジコ先生は話し続けた。
「勝負の提案と決定権は互いが決め合わなきゃいけないでしょ?けど 拒否権もあるから なかなか勝負が決まらなかったのよ 今まで」
フジコ先生、以前リュウオウ様と勝負した時みたいに、場所と勝負内容の交渉をする気だ。
「だから それ以前の交換条件で 場所はあなた達が決めていいから 勝負内容をこちらに決めさせてもらえない?」
フジコ先生は家庭科室を見渡しながらそう言った。彼女の言い分は正論だけど、このままだと家庭科室で勝負をする事になる。
事前に打ち合わせた『北ミナミを外に連れ出して、さらう作戦』が出来ないじゃない。
パンッ!
「うーん 素晴らしい」
北ミナミが何かを言う前に、ツバキ先生は手を叩いた。
「北くん いい話じゃないか」
「は?そんなのこっちが不利だし」
この2人、どういう関係なんだろ。先生と生徒だけど、北ミナミの偉そうな態度はツバキ先生に対しても変わらない。
「却下 あーしがしたい勝負は決まってっから」
フジコ先生の提案を、北ミナミは拒否した。どんだけ わがままなの。
「じゃあ あなたが提案する勝負も 私達は却下するわ」
おお。フジコ先生も一歩も引かない。やっぱこういう時、頼りになるなあ。
「はあ?どんだけ理不尽なの?」
北ミナミが言ってる方が理不尽だ。単なるわがままっていうか、クソガキとしか思えない。
「まあまあ じゃあ 場所をあちらに決めさせて 勝負を北くんが決めるのはいかがですか?」
あっ。ツバキ先生は2人を仲裁する形でそう言ったけど、その提案は最高にジュリア達の思い通りだった。