0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (53/79)

「ハハ ちゃんと来てくれただけ いいじゃないですか」


もう1人は大きなシルエットで、スーツを着た男性。見た瞬間に 先生 というフレーズが頭に浮かぶ。


「お2人とも 自己紹介の必要はありませんよね?」


丁寧な言葉使いに、ニコニコと笑う顔。歳は20代真ん中のはずだけど、妙な貫禄がある教師。



ツバキ先生。まさか。



「世田谷 先生」



フジコ先生がツバキ先生に向かって、そう言った。



そうだ、ツバキ先生の名字って。



世田谷 ツバキって言うんだ。



「お2人とも GPSの黒い反応を追って この学校に来たという事でよろしかったですか?」


七三に分けた前髪から見えるニコニコとした表情。世田谷先生はそれを崩さないまま、ジュリア達にそう言ってきた。


思わずそうだと言いそうになったけど、フジコ先生は何も言わない。


ジュリアも沈黙を守る中、ツバキ先生はメガネを上げ、話し続ける。


「あの黒い反応は私のSCM反応です」


「へっ?」


フジコ先生は相変わらず何も言わなかったけど、ジュリアは思わず声を上げちゃった。この場にいる時点でそうだとは思ったけど。


世田谷ツバキ。コイツが黒反応。