0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (50/79)

「起きて もう放課後よ」


「んん」


優しくて妖しい声。


「起きれる?」


ムニャムニャした意識の中で聞こえたのは、フジコ先生の声だった。


「あ」


目覚めると、真っ白な肌に黒い瞳とまつ毛、そして上品な眼鏡をかけた女性の顔。フジコ先生だ。


彼女はジュリアの枕元に座り、ジュリアを優しく揺さぶっていた。


「眠気がひどい?」


「うん」


唇と鼻もとを手の甲でこすりながら、上半身だけ起き上がる。


「リュウオウには言っておいたから 今日はもう帰りなさい」


リュウオウ様の名前に思わず目が覚める。


「え?」


「北ミナミの件は私達にまかせて」


フジコ先生の言葉を寝起きの頭で整理する。携帯を取り出し、時間を見るとすでに4時過ぎ。