0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (49/79)

食堂は食券を買って、カウンターにいるおばちゃんに券を渡す感じ。潜入した当初は、新鮮さで毎日利用していたけど、最近は食欲が無くて来ていなかった。


食堂に入ると、たくさんの生徒がカウンターに並んでいた。けど、みんなの視線に違和感を感じる。


誰もが一か所に注目していた。


みんなの視線を辿ると、食堂中央の卓に座り、ラーメンを食べる1人の男子生徒へ辿り着く。


その生徒の髪の毛は真っ白で、ツーブロックって言うか、片側の髪の毛を刈り込んでいた。前髪は垂れるくらい長く、アシメトリーになってる。


フジコ先生が言っていた白髪の生徒だ。


ああ、ヴィジュアル系なんだって感じ。やりたい事は分かる。


券を買って、うどん・そばコーナーに並ぶと、前にいる女子達が白髪の彼を見てクスクスと笑っていた。


「ずっと来てなかったんでしょー」


「先生に何言われても 直さないんだってー」


「なんかイタイよねー」


その子達の会話から、彼がしばらく不登校だった事が分かった。そういえばジュリアが前にいた高校でも、大人しめな子が突然 髪の毛を染めて登校したりなんて事もあったなあ。


そんな事を考えながら、もう一度白髪の生徒を見ると。


あ。目が合った。


自然と目を反らすと、視界の外で視線を感じた。


もう一度、白髪の生徒の方を見てみると、彼はまた黙々とラーメンを食べていた。ちょっと怖かったな。


食堂のおばちゃんからうどんが置かれたプレートを渡され、1人でうどんをすする。


少し残しちゃったけど、何とか胃に物を入れて保健室に戻る。


フジコ先生はいなかったけど、もう一度ベッドで眠る事にした。なんか学校来る意味、無いよね。


ネガティブな気持ちのまま、ジュリアはまた眠りに就いた。