0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (48/79)
何も解決していないけど泣いたのも手伝ってか、ドッと疲れがきた。目を瞑っても、モヤモヤした明かりの様なものを感じた。
ジュリアの幸せ。リュウオウ様の幸せ。赤ちゃん。堕ろす。北ミナミ。黒反応。心まで捧げる第二段階。
第三段階は。
頭の中で、ぐるぐるとフジコ先生との会話や今日の事が繰り返される。うつ伏せになり、枕に顔を埋めて布団をかぶる。今は何も考えたくない。
ただ眠りたい。
頭の中の言葉達を掻き消して、闇だけにして、ただ眠りに集中しよう。ジュリアが眠りに就くか就かないか、夢か現実かの中。
「SCMの効力で 自分や他人は殺せても」
カーテンの先から、僅かにフジコ先生の声が聞こえた。
「我が子は殺せるのかしら?」
フジコ先生の言葉が夢か現実なのか。その意味も考えず、その時はただ眠っていたかった。
起きて、携帯の時計を見るとちょうどお昼休みの時間だった。
食欲は無いけど、吐いてもいいから何か食べろとフジコ先生に言われ、ジュリアは渋々と食堂に向かう。
寝起きの気分は最悪。鏡で顔を見たら目も腫れてたし。
空腹なのに胃液が出そうになる程 気持ちが悪い。頭もグワングワンする。
食堂に近付くと、色々な食べ物の匂いがした。今のジュリアにとっては魅力的な匂いじゃないけど、身体は何か食べ物を欲しがっていた。
カレーの匂いがするけど、気分的にはうどんかなあ。うどんに乗っかったかまぼこを想像すると、僅かに食欲が湧いた。