0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (39/79)
「ジュリアはリュウオウ様の為なら何でもする できちゃう」
きっと、死さえ恐れない。
ジュリアの話に間が出来ると、フジコ先生は口を開いた。
「人の為と書いて 偽り と読むのよ」
「へっ?」
確かに、にんべんの為と書いて偽(いつわ)りだけど。
「人の為に動いているとね ゆくゆく何かあった時 人は人のせいにする」
感覚だけど、何か納得してしまった自分がいる。けど、それを認めたらジュリアがまるっきり間違ってるみたいじゃない。
「ジュリアは ジュリアはリュウオウ様のせいになんか」
「私もね 風俗とかキャバクラとか 一通りしたわ」
「そうなの?」
初めて聞いた。
「ええ だから新宿セイヤが言っていた事 少し分かる」
フジコ先生はイスの位置を変え、枕元のパイプに肘(ひじ)を着く。
「売春と風俗は違う 会社があって仕事が成立してるか していないかだから」
さっきのナンパとキャッチの違いと似てる感じかな。
「行為をする人間からしたら 自分の面倒を見たり守ってくれる会社みたいなモノがないと 行動の抑揚(よくよう)は劇的に縮まる」
ニートが引きこもるっていうけど、人って仕事が無いと何も行動しなくなる。ジュリアでも、フジコ先生が言っている事がなんとなく分かる気がした。
「それが人の弱い所だけど SCMはそれすら許さない」