0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (38/79)
「昔 セイヤが言ってた」
自分でもよく分からないけど、ジュリアは思うままを喋りたかった。
「ナンパはできないけど キャッチはできるって」
フジコ先生は、ただ黙ってジュリアを見ていた。
ジュリアからしたらナンパもキャッチも変わらない。何が違うのかさえ分からないし、意味が分からなかった。
「その時 セイヤは酔っ払って帰って来て ジュリアに語ってきたの」
ナンパは基本的に個人でする事であって、何かあったら自分の自尊心が傷付いたり、自分の責任になる。
けどキャッチは自分の後ろに会社が付くから、最悪仕事のせいにできる。
「同じ 他人の女の子に声をかけるだけの事だけど 会社が後ろに付いた安心感が有るか無いかで やり易くなるか ならないかがハッキリ分かれるんだって」
フジコ先生は瞬きと共に頷く。
「人は 仕事であったり大きな理由があれば 何でもできるようになるんだ」
何も言わないけど、フジコ先生はジュリアの話をよく聞いているのを感じた。
「その時のジュリアには意味が分からなかったけど 今になって少し分かる気がするの」
SCMで主人ができると、主人が全てになる。オーバーだけど、まるで命令は仕事で、主人は指示を断れない会社の上司みたいになるの。