6日目 (11/13)



昴さんがロボットだって知った時

そりゃ…初めはびっくりしたよ。疑ったし、信じられなくて。


昴さんと過ごした時間は、短いながらにも中身が濃くて、とても充実していた。楽しくて幸せな時間だった。







『昴さん、私の話を聞いてください』







初めて出逢った時

飲み屋のキャッチのお兄さんにズバズバと物事を話す姿に正直びっくりしました。

それに無表情だし、ただ冷たい人だと思ったけど、それは全然違くて。

いつも真面目に物事を捉え、考えて、

思ったことはハッキリと伝える。しっかりと自分の意思を持っている人だ。

何でも出来て、万能で、

冷たいように見えて本当は暖かくて、優しくて、

新しい事にはしゃいじゃう無邪気な可愛いところもあって、


素直すぎるくらいに真っ直ぐで、



昴さん…貴方はロボットかもしれないけど

私はそんなこと大して重要じゃないと思うんです


昴さんは昴さんで、他に変わりなんていませんから。

私の救世主であって、私の…








昴「………星、」


『は、ははははいっ!(話過ぎって怒られちゃうかな?)』



昴「僕は正直、どうしたらいいのか分からない」






困らせた…?


何言ってんだこいつ、って引かれちゃった…?






昴「星は僕のことを、そんな風に思ってくれていたんだね」


『はい!今言ったこと全て、昴さんに対する気持ちと言いますか…その…』







なんて言ったら良いんだろう。上手く言えないっ…うぐ、






昴「怖いとか思わないの?

人間じゃないんだよ…僕は」


なっ!?
怖いだなんて滅相もない!

確かに美し過ぎて怖いとかはありますけどロボットだから怖いとかはありませんよ!全然っ』





ぶんぶんと首を横に振る。

怖いわけない、だって昴さんだもん。






昴「…そう。

僕はね、正直怖いよ…。

だって、いつかは動かなくなるのかもしれない。壊れる可能性だってある。


星の側に居たいのに、一緒に居る事が出来なくなるかもしれないって、そう考えるだけで怖くて仕方ない…!」






怯えた昴さんなんて初めてで

いつも自信満々で、何に対しても恐れない姿勢が昴さんだったから。


すると、昴さんの横にしゃがみ込んでいた蓮見くんがスクッと立ち

昴さんに向かって言った。







蓮見「バカ昴が。そんな心配してんじゃねえよ!

この俺がいるんだから例え壊れたって、動かなくなったって、

絶対また元通りにしてやる。俺のスペックを舐めんな!」






ふん、と鼻を鳴らして自信満々にそう言い放った蓮見くんはなんだか逞しくて、凄く心強い気がする。





蓮見「俺なんだよ。

昴の元を造ったのは俺。だから責任はきっちり俺が取る。


必ず昴のこと、1人の人間として完成させるから。


何の心配も要らねえ。

だから怖がらないで、後悔の無いように、昴の好きなように生きろよ」


昴「…そうだったんだ」


蓮見「おう」


昴「洸太のおかげで、僕は生まれてきたんだね」



蓮見「ま、まあな。元だけだけど…」



昴「ありがとう…

僕を造ってくれて、ありがとう洸太」



蓮見「はあっ!?///

や、やめろよ!キャラ違ってんじゃん気持ち悪ィ!」



昴「……せっかく感動するところなのに台無しだね」



蓮見「う…うるせえな!苦手なんだよこうゆうの///

つーか!お前はブスに言わなきゃならねーことがあるだろ!」



昴「えっ、でも、」


『はい?』


昴「う…」



蓮見「何ためらってんだよ早くしろー」






ニヤニヤとする蓮見くんに対し

昴さんは何やら戸惑っている様子。



な、何なんだろ…(^ω^;;)