6日目 (10/13)
蓮見くんは、泣いた顔を見られたくないのかずっと下を向いて、俯いたままだ。
隣に居る昴さんはというと、相変わらずのポーカーフェイスだけど…悲しんでいるような瞳をしている。
分かってはいたことだけどショックが大きかったんだろう。当たり前だよね、自分がロボットだなんて急に言われても信じられないし信じたくもない。
自分が他の人と違う存在なんて…ひとりぼっちのような、寂しい気持ちになるもん。
蓮見「…澪がさ、面白くて、変わった友達がいるってよくRINEで嬉しそうに話してたんだ。
お前だったんだな。てかお前だろ絶対」
懐かしそうに話す蓮見くんは
体操座りをして、やっぱり顔は隠している。
蓮見「澪が言うんだから、絶対に良い奴なんだろうなって思って話を聞いてた」
『…ごめん。私は澪ちゃんのこと』
蓮見「イジメのこと…助けなかったんじゃなくて、助けられなかったんだろ?
お前の兄貴、お前に気付かれないようにやるのとか上手そうだし」
『えっ、蓮見くん、ちが、でもやっぱり私が悪いんだよ!それでも気付かなきゃいけなかっ…』
蓮見「あ~もう、うっせえなあ。
俺、心配しなくてもお前のことを恨んでもねーし。怒ってもねーから。
悪いのはイジメを仕向けたお前の兄貴とそれを実行した奴等、見ていた奴等で
お前は、悪くないから。だから謝んなよブース。あ、バーカ」
『べ、別にそこ言い直さなくても良かったよ…!』
蓮見「はは、わりー」
『!』
あっ…
初めだ、
こんなに笑顔の蓮見くん。
笑うと、その大きな瞳が垂れ目になるんだね。ふにゃりと。
昴「……」
チラリ、
昴さんを見ると、昴さんはずっと無表情のままで。ただどこか一点を見つめている。
昴さん…