6日目 (4/13)



蓮見「おい、立てよ」


兄「あ?
誰に指図してんだよお前。俺は!」


蓮見「家とか学校では随分と可愛がられているみたいだな。

絶対に逆らっちゃいけない存在。かっこよくて、万能で、人気者の七瀬くん……



なんて、





思うワケねえだろうが吐き気がおさまらないっつーの胸糞悪ィ






と、
悪魔のような形相でギロリと地面に倒れている兄を睨みつける。

私、もしあの顔で睨まれたら多分もう一生蓮見くんには頭が上がらないや…

だって眼だけでられそうだものォォォォ








ドカァッ!


兄「ふ、ぶごぉ、うぐッ…!」



蓮見「なあ、俺、立てって言ったんだけど?

それなのに何いつまでも倒れてんだよおい!!」



ボカッ、 ドスッ!!


兄「…ッンギ!?い、ぐぁあ!!」


蓮見「痛いか?


まあ、絶対痛いよな。まっっったく遠慮して蹴ってねーもん俺」



昴「…こ、うた!もう!」


蓮見「……父さんから

今の街に引っ越しをするって聞いた時。偶然にも、澪の学校がある街だったからコレは神様がくれたチャンスだと思った。

澪の学校に転校すれば、澪を追い込んだ奴が分かるからな。

ま、最初の方は誰に聞いても詳しくは教えて貰えなかったけど

それもその筈だよな~。だって全員がお前の味方なんだから。

不気味なほどお前の支持率が高くてびっくりしたくらいだわ」






はは、と渇いた笑い。

蓮見くんは兄を見下ろしながらペラペラと自分の事を語り出した。


蓮見くんは…澪ちゃんの知り合いだったの?

違う…きっと知り合いなんかじゃくて、もっと特別な存在だったからこそこんなにも感情を露わにして怒りを兄にぶつけているんだ。