4日目 (13/27)



キャンキャンキャンッ!


とか


ガルルルルッ…



とか




くうぅ~~ん




とか、様々な鳴き声が飛び交う店内








ペットショップ




昴さん、動物は好きかな?







『うお~~
よしよしよし良い子だね~』






ブサ可愛いの
キャッチフレーズを持つパグ。

ああ!
この真っ黒な瞳!人懐っこさ!
可愛い過ぎる癒される~~!!


尻尾をフリフリとさせ、撫でられているのが嬉しい様子。可愛いやつめ!ぐはっ///






昴「…これが、犬…!」






えーーまたこの反応!



見たことない、とか言うんじゃないよねまさか「見たことない。初めて見た!!」やっぱりかー(^∇^)



昴さんは店内をキョロキョロと見渡してはキラキラと目を輝かせている。

珍しいモノを見る、好奇心に満ちた瞳

はしゃいでいる姿はまるで小さな子供みたいまで、なんだか昴さんの方が年下みたい。可愛いなあ。








昴「…でも、こんな狭い所に居たら可哀想だよね」


『まあ確かに。可哀想ですよね…って昴さん!?逃がしちゃダメですよ!?


昴「え?でも、この子すごく出たそうにしてたから」


『そ、それでもダメです!

飼い主さんが見つかるまではダメなんです!

ほらっ。早く戻してあげてください』







昴さんが抱っこしていた真っ白な毛並みのチワワはくう~ん…としょんぼりした顔をした。









昴「この子。細くて、折れちゃいそう」


『優しく抱っこしなきゃですね~

私たちより繊細に出来てますし!大事に扱わなきゃ!』



昴「…優しく。んん、難しい」






力を上手く加減できないのか、抱っこする力が弱過ぎてチワワちゃんが昴さんの腕から落ちてしまいそう。

危ないいい!!








『もうちょっと、力を入れても大丈夫ですよ?』


昴「…怖いよ、力を入れ過ぎたら死んじゃいそうで」




ドッ、





”死んじゃいそうで”









『だ…大丈夫ですよ!

ほら、こうして…』


昴「こう?あっ、なんか良い感じ」





ニコニコと、嬉しそうにチワワちゃんの頭を撫でる昴さん。



ああ…びっくりした。

過剰に反応し過ぎだよね私。







昴「ふふふ、くすぐったい」








私、自殺するんだもん。


死ぬんだった。


忘れていたワケじゃないけどさ。







『か、可愛いですね!』






今日だけ


今日だけは楽しく遊びたい。


母も兄も人の目も気にしないで、目の前にいる昴さんのことだけ考えて。


いつまでも…きっとこうやっては居られない。

まだまだ私は17歳で。世間から見たら子供だ。1人で何でも出来るようで何も出来ない無力で弱い存在。


兄に見つかる

兄は必死に探すだろうし、母もきっと協力する。あー嫌だ嫌だ嫌だ。