3日目 (18/18)



昴「…星…君っ…」


『え?
ああ、大丈夫ですよこのくらい。

兄に殴られたことなんてこれが初めてじゃないですから!』







そんな顔しないで昴さん。

大丈夫大丈夫
ちょっと痛かっただけ。いつもよりジンジンするだけだから。







兄「…ひかり。早くこっちに来い」


『お兄ちゃん…
ごめんなさい。今行くから、』







その瞬間、クイッと左腕を背後から掴まれストップ。








昴「行かせないよ。

星を君のところには行かせない」


『だ、ダメです!昴さん!』





兄に逆らわないで…

追いかけてくれたこと、すごくすごく嬉しかった。でもやっぱり無理なんですよこの悪魔から逃れる事なんて。








兄「この…!
ひかりの腕離せよッ!!」


昴「無理。

星は、絶対に連れて帰るから。
君と君の母親と一緒に居たら、星はいつまでも自由になれない」


兄「はあ?
意味わかんねーんだよ!」


昴「…なら仕方ないね」







そう言って昴さんは兄と向き合いそのまま顔を近付け…




ガツンンッ!!




思い切りおでこをぶつけた。
所謂、頭突き






兄「…ンガッ!?」








そのまま兄は呆気なくバタン、と地面に倒れた。あれ、なんか泡吹いてない?(^ω^)







昴「……手強いね、星のお兄さん」


『いやいやいや
一撃でしたけど!?







どんだけ石頭なんですか昴さん!








昴「星、帰ろう?」







オレンジ色の夕陽に照らされた昴さん

それがまるで、天使が舞い降りてきたように見え、思わず見惚れてしまうほどすごく綺麗な光景となっていた。


天使が舞い降りてきた、とか初めて使っちゃったよ!恥ずかしい!







自殺するまであと


(帰りに蓮見くんのお見舞いにでも行きますか)

(ええ…いいよめんどくさい。どうせ元気だから大丈夫でしょ)





(…へくしょぉぉいいッ!!)

(誰か俺の噂してんなこれ)