2日目 (7/10)
どう考えも…いや絶対に
兄が突き落としたんだ
そう思った私は、初めて兄に対して怒りを露わにした。部屋に入るなり兄の胸ぐらを強くグイッと掴み、怒鳴り散らす。
今まで反抗的な態度を兄にとったことなんてなかったから、兄は驚きを隠せない様子で。
兄「ひかりッ…なんだよ急に!!」
『何をしたの!?あの子に!!なんで!?なんであの子に手を出すのッッ!!!』
兄「…はぁ?何のこと、」
『とぼけないでよ!!あの子がイジメに遭っているのも知ってるんだから!』
兄「!」
『それだけじゃない…さっき、階段から転落して大怪我したって…
お前が突き落としたんだ!!いい加減にしてよ!!!
あの子に手を出すのはいくらなんでも酷すぎる!私に声をかけてくれるから?だから気に入らないの?お兄ちゃんの言うとおりにならないから!
私…絶対に許さないから!お前を!!』
これ以上に無いくらい感情を露わにして兄に怒りをぶつけた。
でも…それが結果的に兄を更に怒らせてしまうことになってしまった。
兄「……ひかり、お前
誰にそんな口聞いてんだよ」
『…ッ!?』
兄「約束を守らないお前と、あいつが悪いんだろ?言ったよな俺。
お前には俺が居ればいいって。
お前に友達なんて必要ないんだから、あいつは邪魔だろ…?邪魔なんだよ。
ニコニコニコニコ笑やがってイライラする。イジメに遭っていても、ずっと」
『…やっぱり!
イジメもお兄ちゃんが!!』
兄「でもあいつ、全然態度変わらないんだよ。
ムカついたから、階段を歩いていたあいつの背中をちょっと押したら。まさかの大怪我だなんて(笑)
だっっさ」
『…ださ…?は?
何が面白いのお兄ちゃん…』
ケタケタと馬鹿にしたように笑う兄
…兄は、残酷過ぎる。自分の事しか考えない、最低最悪の悪魔なんだ。
泣いて 泣いて 泣いて
いくら泣いても足りなくて、兄を恨み自分自身も恨んだ。
兄「これで分かっただろ?
ひかりが味方をつければ、傷付くのはそいつなんだ」
『……』
兄「自分の所為で他人が傷付くところは見たくないだろ?ひかりだって」
『当たり前…でしょ…』
兄「ほら!それなら話は簡単!
ひかりは、俺の言う事を守るだけでいいんだから!
はい解決解決ーー!!」
パチパチと笑顔で拍手をする兄に恐怖すら覚えた。この人は…人じゃない。
兄「ひかり。
お前は、俺には逆らえない」
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