2日目 (6/10)
よく笑う女の子だった。
そんな女の子の笑顔が、日に日に消えていって。
強くて明るかった女の子の姿はいつしか見えなくなってしまった。それもその筈。
その女の子は…イジメに遭っていたから。
もちろん我が兄の差し金。
女の子は人気者だった
周りにたくさんの人がいつもいたんだもん。
でも兄が1番の権力者だったんだね。だから人気者の女の子だとはいえ、みんな兄の命令通りイジメたんでしょう。
許せなかった。
私に気付かれないようにイジメをするように仕向けた兄も、イジメをしていた人も、
それに早く気付くことの出来なかった自分自身のことも。
もちろん…1番許せないのは私自身だ。
味方になってくれた女の子に、私は何もしてあげられなかった。助けることが出来なかった。無力過ぎて…情けない気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいで。
「…ごめんね」
最後に私にそう言った女の子の
言葉が 表情が 仕草が
頭から離れない。
1年経った今でも、
その光景はハッキリと脳内に焼き付いている。
その日の放課後
女の子は、階段から転落して大怪我を負おった。