7日目 (20/27)



スッキリしないのは


きっと俺自身の問題。







澪「…洸太、
私はもうすぐ全機能が停止する。

だからその前に伝えたかったんだ」



蓮見「…ありがとうな。


それから澪。実はもう一人、今日で全機能停止しちまうロボットがいるんだ」



澪「私以外にもロボットが?」


蓮見「そ。

昴っていうんだ。俺が初めて作った、すげー綺麗なロボットだよ」


澪「そうなんだ。

洸太が作ったロボットなら、すごく素敵なロボットなんだね」






昴…


今頃、ブスといちゃいちゃしてんのか。発情機能とか付けてねーだろうな父さん。






蓮見「…昴は好きな奴がいる。

昴を好きな奴もいる。それは星だ」



澪「星ちゃん?
ふふ、素敵な人に出逢えたんだね。

星ちゃん、ずっと恋したいなって言ってたから私嬉しいな」


蓮見「でも、昴は…」



澪「ま、まだ諦めないで!

洸太なら…なんとか出来るんでしょう?」







なんとか…したいに決まってる。


昴を生かしてやりたいし、ブスが悲しむところ見苦しくて見てらんねーし。






澪「…洸太、迷ってるの?」






死ぬ気でやればなんとか出来るかもしれない。


だけど…


そうか。迷ってたのか、俺。








蓮見「……俺さ、

もしかしたら好きなのかな」








ブスのこと。



本当は好きなのかもしれない。


好きになったのかもしれない。






蓮見「だとしたら最低だな、俺」







昴を直したい


ブスが悲しむところは見たくない



でも、



昴にブスを取られるのも少し嫌だ、なんて最低じゃん。








澪「…勝負はまだ着いていない。


まずは、昴さんを直してあげて!


星ちゃんは昴さんのことを好きだけど、洸太が本気で好きならぶつからなきゃ!!」



蓮見「…それって略奪愛しろってこと?」




澪「いやっ!その!ん~~」







真っ直ぐだなあ。


澪って、こうゆうところ。



略奪愛しろってことじゃないんだ、ただ、あいつに好きだって言えよって事なんだろ。



俺にも後悔して欲しくないから。








蓮見「ありがとな澪。

なーんか吹っ切れた」


澪「それなら良かった!

私も、もう心残りはないかなあ!」


蓮見「……」


澪「…洸太、後悔しないようにね」


蓮見「おう。そうする」






前に突き出された拳。


俺はその拳に自分の拳をコツンとぶつける。














澪「さようなら、洸太」




蓮見「じゃあな、澪」















ありがとう、澪。


俺の大好きだった人。








***