7日目 (19/27)



蓮見「……は?」


父「どうした?洸太


蓮見「澪から、電話。

どうしても今日言わなきゃいけないことがあるから、会って欲しいって」


父「そうか」


蓮見「なにその顔。

父さん、なんか知ってんのかよ」


父「……そ、それは~ええと、あははッ」


蓮見「うざ」







絶対何か隠してる。


父さんは、嘘つくの下手くそだから丸わかり。








蓮見「大体は想像つくけどな」


父「えっ?こ、洸太!?」


蓮見「出かけてくる」













そうまでしてお前は、
俺に何を伝えたかったんだ?





***










澪「あっ」


蓮見「おう」






カフェ近くの

俺たち以外に誰も居ない公園で、澪は一人静かにベンチに座って待っていた。


その横に、俺も座る。







蓮見「話って?」






なかなか話し出さない澪に、俺から聞いてみる。



澪は少し俯いて、
じっと何かを考え込んでいる様子。

しばらくして、その固く閉ざされた口がようやく開いた。






澪「私片桐澪のロボットなの。

本当は気付いてたよね?洸太」


蓮見「すぐには気付けなかったけど、まあ、なんとなく。そうかなって」





さすが幼馴染みだね、と笑う澪。


ほんと、ロボットには見えないよな。表情とか澪のまんまだし。自然。





澪「死んじゃって、凄く後悔してる。


どうしてもこれだけは伝えたかったから」



蓮見「何だよ」


澪「洸太、」








澪「大好きでした。ずーーっと」








澪の気持ち





澪の口から初めてちゃんと聞いた。


正直すげー嬉しい。俺も大好きだったから。澪のこと、昔からずっと。

俺も言えなかったこと後悔している。だからこそ今ハッキリ言って








蓮見「ロボットになってから言うなんてズルいだろ。バカ」



澪「うん、ごめん。ごめんなさい」



蓮見「俺も、大好きだったよ。澪のこと」







ようやく言えた。


言えたのに、なんでだろうな。



全然気持ちがスッキリしねーの。








ーーポタッ、








蓮見「なん、でっ死んだんだよ!!

俺じゃ頼りなかったか?澪ッ!」






澪「……





蓮見「ずッ、デートとか、したかった!」




澪「うん




蓮見「手だって繋ぎたかった!」




澪「私も」




蓮見「抱きしめたいって正直たくさん思ってた!」




澪「嬉しいよ」








意味ないじゃん。



もう、こんな夢は意味がない。








蓮見「死んだらっなんもできねーじゃん、


バカ澪!置いてくなよ






ポンポン、と俺の肩を叩く澪。


優しく、慰めるように。







澪「ごめんなさい。


本当に、ごめん、洸太」






情けないな、とは思いながらも


俺は子供のように澪に泣きすがる。





好きだった。


気付いてからはもう遅かったけど、きっと幼い頃から俺は澪が大好きだったんだ。


澪は案外、臆病なところがあるから。きっと父さんに自分のロボットを開発するよう頼んだんだ。


自分で気持ちを伝えられなかった時の保険。




俺でも同じ事を考えたかもな。



前までの俺なら