最悪の部下に恋した男 (8/10)

食堂から戻り、仕事に取り掛かろうと俺はデスクに戻った。


鷲宮さんは、隣で退屈そうにパソコンの画面を眺めている。


笠井「さて...と。仕事仕事。頑張りますか」



と。


社員A「笠井さんっ♪」


鷲宮さんと同じ時期に入社した女性社員が近付いてきた。


顔も良く、性格もいい社内でも人気の社員だ。


笠井「ん?どした?」


社員A「ん~。笠井さん、今週の日曜日空いてます?」


笠井「え?日曜?空いてるけど....何で?」


社員A「映画。観に行きません?2人で♪」





鷲宮「・・・・・・・・」イラッ...



・・・・・・・・ん?

何だ今の『イラッ』って。




笠井「おー。映画かぁ。いいね、行こうか」


社員A「本当ですかぁ?やったぁ///笠井さんだから誘ったんですよぉ?」




鷲宮「・・・・・・・・」イッラァァ...



・・・・んん?


だから何だよ『イッラァァ』って。



笠井「じゃあ、来週の日曜日。えっと、時間は.....」



バンッ!



笠井「・・・・え?ど、どうしたの鷲宮さん。急にデスク叩いて...」


鷲宮「ん?別に?


笠井「あ、そう?・・・・えっと、それで待ち合わせの時間だけど....」



ガシャーン!



笠井「ちょ....鷲宮さん?今度はペンケースひっくり返して何やってるの?」



鷲宮「別に。何でもねぇよ。ハゲ、バカ、アホ」



笠井「そ、そう....。何でもないならいいんだけど....」


社員A「ちょっと鷲宮さん。今大事な話してるんだから邪魔しないで。それとも何?嫉妬してんの?


笠井「え?嫉妬?」



鷲宮「は、はぁぁ!?嫉妬!?意味わかんねぇし!何で私が嫉妬すんだよ!行ってくればいいだろ!?2人で映画にさ!



社員A「・・・・・・・・・・・・」


めちゃくちゃわかりやすく嫉妬してる....。



笠井「え?何?鷲宮さん嫉妬してるの?何で?」


社員A「いいからいいから。映画の後2人でホテルとか行っちゃいます?」



笠井「はっ?ホテル!?」




鷲宮「ほ.....ホテルはダメ!!




笠井「・・・・・・・・・・・・」


社員A「・・・・・・・・・・・・」




鷲宮「あ....いや....その.....っ///~~~~~~~~~~~っ////



鷲宮さんは顔を真っ赤にしながら

モゴモゴと口を動かし、そのまま席に着いた。





笠井(・・・・嫉妬?んん?何に?)