終業の鐘 (1/5)

人間は、働かなければ生きていけない。


これは、人類という種族にのみ許された特権でもあり、義務だ。

そりゃ、中には例外もあるが

ほぼ全ての人間が汗水を流し、毎日毎日”人生”の為に命を削っている。


笠井「はい。クレーム処理課です」


何事も”居場所”は大切だ。


笠井「えぇ、はい.....わかりました。申し訳ございません」



いかにそこが自分にとっていいのか、悪いのか。

楽しいのか、楽しくないのか。

頑張れるのか、そうではないのか。



会社という箱の中で、1つの歯車として錆びるまで回り続ける。


そこにその価値があるのか。


そんなくだらない事を考えながら

俺は今日もデスクの椅子に腰を下ろす。



鷲宮「おい、笠井。今日仕事終わり時間あるか?」


笠井「え?あ、あるけど......何かな」


鷲宮「あー、うん。まぁ、その時に言うわ」



毎日毎日同じ事の繰り返し


敷かれたレールを真っ直ぐ渡るだけ。



俺はそんな人生嫌だ。




確かに昼ヶ丘のいなくなった今、この会社の雰囲気は変わった。

前よりも活気に溢れている。



だが......俺は何か物足りない。




そう、”刺激”が足りないんだ。






甘酸っぱいようでほろ苦い、そんな学生の頃の様な刺激が。




だから俺は



笠井「・・・・・・・・・・・・・」




今日の仕事終わり






鷲宮さんに告白する。