陽の光 (4/6)
昼ヶ丘「私は......私はただ.....変えたかったんだ。自分を.....そして.....この会社を.....」
笠井「・・・・何だアイツ?追い詰められておかしくなったのか?」
下呂「くぷっ。笠井さん、仮にもあの人は代表取締役社長ですよ?アイツ呼ばわりは許せませんねぇ」
笠井「ふんっ、今更社長とは思えねぇよ。それでクビになるなら上等だ。こんな会社むしろ去りたいね」
昼ヶ丘「・・・・・・・・・・っ」
”こんな会社”
茜「我が妹よ.....お前は.........」
昼ヶ丘「あぁぁ......ゔぁぁぁ....ぁ.....”こんな会社”.....?何で....何でそんな事言うの.....?」
”ほら、ま~たアイツだよ。昼ヶ丘”
”あぁ、あの出来の悪いポンコツ社員っすか”
”いつまで居るんだか....早く消えてくれないかなぁ”
昼ヶ丘「私は.....!!私は何も間違っちゃいない!!使えない人間は....いらない部品は会社から消す!!そうだろう!?」
ボツになった企画は捨てるだろう?
インクの切れたペンは捨てるだろう?
だったら......
”わ、わわ私は!御社を変えてみせます!!歯車の一部になって.....頑張ります!!”
不必要な人間は.....捨てていいだろう?
茜「もう.....いいんだ。我が....妹よ.....」
昼ヶ丘「・・・・・・・・・っ」
茜「もう.....頑張らなくても.......」
昼ヶ丘「やめてよ姉さん!!何で.....何でそんな事言うのよ!!その一言で.....私のやってきた事が全部.....消えちゃうじゃない.....っ!」
昼ヶ丘は大粒の涙をポロポロとこぼしながら膝をついた。
そんな昼ヶ丘に歩み寄り優しく抱き締める茜。
そこには、会長と社長ではなく
確かに、姉と妹の姿があった。
茜「バカだなぁ、お前は.....」
お前が消そうとしていた人間が
1番、会社を守る為に動いていた事に
茜「なぜ、気付かなかったんだ....」
人は、1人では生きていけない。
誰かに支えられ、誰かを支えながら
先の見えない暗闇の中を
手を伸ばし、手を握り、歩んで行く。