陽の光 (1/6)
大釜「・・・・・・・ちっ」
口から血の塊を吐き出した大釜は
ユラリと立ち上がると犬村を睨み付けた。
狂歌「なぜ......助けに来てくれた.....?俺っちは.......お前らの”敵”だったじゃないか......」
犬村「・・・・・・・・・・・1人のバカな男がいるんだ」
狂歌「・・・・・・・え?」
犬村「ソイツは、惚れた女の為に、自分が信じようと思ったヤツの為に.....簡単に命を懸けやがる」
そんなアホを見てたらさ
俺も信じてみたくなったワケだ。
俺自身の気持ちを。
間違っちゃいない、と。
狂歌「でも.......」
犬村「黙ってろ。雑談は...,..アイツを倒してからだ」
大釜「はっ....死に損ないの野良犬がぁ.....!犬村ぁ!!」
大釜がピンク色のパジャマを揺らしながら床を蹴り上げた。
一瞬で、犬村との間合いを詰める。
その瞳が、その脚が、犬村の頭部を的確に叩き付けた。
メキッ.......
耳を塞ぎたくなる様な音が廊下に響く。
大釜「・・・・・・・・・・なぜ、避けなかった」
ポタポタと、血液が一定のリズムを刻み、落ちる。
犬村「・・・・お前を倒すのは、俺じゃない」
大釜「あ?今何て........」
犬村「これにて閉幕だ」
大釜「・・・・・・・っ!?」
・・・・・・おい。
ちょっと待て。
何か.......何か大切な事を忘れてないか?
・・・・・・そうだ。
アイツの.....,..狂歌の姿がどこにも.......
犬村「俺ぁ信用したんだ。ーーー”仲間”を」
大釜「ちぃっ!!後ろかぁ!!!」
表情を歪め振り返る大釜の顔面に
狂歌の、渾身の一打が撃ち抜いた。