帰宅したいんだよ (4/7)

大釜「おやぁ~・・?」


大釜が不気味にほくそ笑みながら狂歌の方を見た。


大釜「なぜ君がそちら側にいるのかな?狂歌ぁ


狂歌「ひっ.....こ、これは......その.....」


大釜「返答次第でまずお前から殺すぞ?なぁ、狂歌」


狂歌「あ.....お、俺は.......」


まるで子犬の様にガタガタと震える狂歌の肩を俺は軽く叩いた。



狂歌「か.....笠井....」


笠井「ったく....でけぇ図体してメソメソ泣くなよ。何でコイツがこっち側にいるのか、だって?」


そんなの決まってる。



笠井「コイツが....”仲間”だからだ」



狂歌「・・・・・・・・・・・っ」



・・・・・・・・仲間。


笠井「昨日の敵は今日の友、って言うだろ?」


下呂「くぷぷ。まだ昨日ではなく今日の話ですけどね」


笠井「細かい事はいいんだよ!!」





大釜「・・・・そうか。実に不愉快だ」


大釜は小さくそう呟くと

床を思いっきり蹴り上げ笠井の顔目掛けて足を振り上げた。







ーーキィンッッ!!



甲高い金属音が廊下に鳴り響き

笠井の顔面の数cm手前には鋭く光るナイフが空を斬り裂いていた。



笠井「ひょ....ひょえ~・・・・く、靴の先に....隠しナイフ....」


狂歌が瞬時にガードしてくれなかったら今頃俺の鼻は廊下に落ちていただろう。


狂歌「この女は全身に武器を仕込んでいる....っ!ここは俺っちに任せろ」


笠井「・・・・っ!そんな.....お前だけ置いて行くなんて.....」



狂歌「いいから行け。・・・・さっきは、”仲間”って言ってくれてありがとう」


大釜「どうせ全員消すんだ。順番などはどうでもいい」




下呂「行きましょう。くぷっ」


下呂さんが俺の腕を引っ張り走り出す。


笠井「くっ.....!!絶対....絶対また会おうぜ!!


狂歌「・・・・あぁ、もちろんだ!!




大釜「狂歌ぁ、生きている事を後悔する程に苦しめてやる