オフィスラブ (9/10)

狂歌「うわああああああああああ!!」


メキッ.....!!


笠井「ゔっ.....おぇ.....」


何だコイツ.....パワーが半端無く強え....。


狂歌「はぁ....はぁ.....やった.....やりましたよぉ!!社長!!大釜さん!!」


狂歌は高々と腕を掲げ

涙を流し、天に向かって吼えた。



だけど。



笠井「・・・・・・・・・・・・」


・・・・違う。


コイツは.....全く喜んでいない。


詰まる所コイツは俺と”同じ”だ....。


こんな事....本当は望んでいないんだ。



笠井「くっ....かはっ......おい....お前....」


狂歌「・・・・っ!お前....まだ意識があるのか....っ!」


笠井「はぁ.....はぁ......」


教えてやらなきゃなぁ。


確かに社長の為に全力を注ぐ事は悪い事じゃない。


だけどな


そこに”自分の意思”が無ければ

ただの壊れた操り人形と同じ。



だったらよぉ......


少し曲がっちまってもいいから


自分の信念貫き通した方が



100倍カッコいいと思わねぇか?



笠井「げほっ....!!あ~・・・・畜生。視界が霞んできやがった....」


俺はガクガクと震える足取りで狂歌に近付くと

返り血で汚れたそのスーツを掴んだ。



笠井「・・・・自分を信じろ。そして.....俺を....信じろ


狂歌「・・・・何で....お前そこまで....」


笠井「こんな汚ねぇ返り血で汚すより.....仲間の為に動いた汗で.....汚した方が最高だろ.....?」



狂歌「・・・・・・・・っ!」


仲間の.....為に......。




笠井「あー・・・・ダメだ。意識....が.....」




俺の意識は


そこで完全に途絶えた。