オフィスラブ (5/10)

鷲宮「私は....社長室に囚われていた時に確かに見たんだ」


笠井「見たって.....何を」



鷲宮「・・・・”5人目”の問題児が記載された資料だ」



笠井「・・・・・・・・5人目?」


まだ存在したというのか?


今回の”問題児枠”で入社した社員が。




鷲宮「だが.....その5人目は社員ではない」


笠井「え?じゃあ......」



鷲宮「正しくは......問題児枠でもない」


笠井「・・・・?問題児枠でも社員でもないならその5人目は一体誰なんだよ」



鷲宮「そいつは昼ヶ丘が最も恐れる相手。言ってしまえばジョーカー・・・・切り札だ」




そいつは.....社長室の真下の小さな部屋に監禁されている。



そいつの”存在”ごと世間から消す為に。
















ー社長室・真下ー

とある小部屋。







コンコン。


大釜「・・・・・・・・食事だ」



小さな窓口から大釜が簡素な食事を差し入れる。



それを受け取る、1人の女性。



首輪で繋がれ、傷だらけの体で

到底食事とは呼べないソレを受け取った。



ピンクのスカートに真っ赤な巨大なリボンを揺らしながら

その少女は小さな声で呟いた。




「今日は社内が騒がしいね。・・・・何かあった?」



大釜「アンタが気にする事じゃない....ふぁぁ....アンタの存在はこの世から抹消されているんだから」


「問題児枠なんて制度を作って”あのおバカさん”は何を企んでいるのかしら」


少女が死んだ瞳で再び問いかける。



大釜「・・・・ま、強いて言うなら”革命”かな」



「面白いジョークね。少し笑えたわ」




大釜「もうすぐ全てが終わる.....。その時は.....もう少し広い部屋に移してやるよ。・・・・”5人目の問題児”さん」

























鷲宮「その部屋に監禁されているのは.....」




”先代”の社長だ。



笠井「先代の社長?」



鷲宮「名は”昼ヶ丘 茜”....」



笠井「それって........」





鷲宮「あぁ.......」






今現在社長に就任しているアイツの実の姉だ。






そして.......


現在は”名誉会長”として席を置いている。





笠井「じゃあ........」



鷲宮「ヤツを何とかしたいなら、まずはその姉を救出するべきだ」