取り戻すだけだ (9/10)
ーーーその頃。
”おもちゃ箱”裏口専用通路。
雄鶏「F。Fuck。クソッタレだわ本当に.....!」
犬村があんな姿になるなんて報告には無かったわよ.....?
不可思議は......もうやられたでしょうね。
裏切った私を恨むなら恨みなさい.....。
私が何より大切なのは社長の創る未来でも鷲宮という歯車の一部でもない。
・・・・・・私自身なのだから。
雄鶏「S。Smile。笑わなきゃね、こんな時こそ」
とにかくこの社内に私の居場所は無くなった。
今はとにかく急いで........!!
錆金「そ~~~~~~~~~~うよねぇ♡死ぬ時も笑ってなきゃダ~~~~~~メ♡」
雄鶏「ーーーーーーーーーーーっ!?Why....?なぜあなたがここに.....」
目の前に立つ、長身の女。
ニタリと不気味に笑う真っ赤な唇に
ユラユラと揺れる漆黒のドレス。
まるでその姿は........
雄鶏「D。Death。死神ね.....」
この女.......昔から何かを察知する感覚がズバ抜けて鋭いのよね。
そう。この女は私を......殺しにきたんだ。
私が裏切る事を予感して。
雄鶏「K。Kill。殺してやるわよ、殺される前にね」
その言葉に
錆金は怪しく笑う。
まるで、この後の結末を
予知しているかの様に。
錆金「・・・・もう終わりよぉ?あなた」
バサッ........
錆金が翻したドレスが彼女自身の姿を隠す。
私の視界から、消える。
サクッ
直後
何か冷たい感触が首筋に触れ
温かい液体が、コポコポと漏れ出した。
霞む瞳、抜ける力、漏れる嗚咽。
最期に聴いたのは
死神が、静かに囁く声。
錆金「はぁい♪死んだ♡」