取り戻すだけだ (8/10)

不可思議「あっれー?何で人間の姿になってるのかな」


・・・・・何コイツ。


掴まれた足を振りほどけない.....っ!!

この私の力を持ってしても......!



笠井「犬村.....お前本当に......」


犬村「あの小さな姿では全力など到底出せん。だが....この姿の俺なら.....」



貴様を叩き潰せる



不可思議「ちょ.....待っ......!お、落ち着いて!!」


ヤバいヤバいヤバい。

目がヤバい。

さっきの可愛らしい子犬とは大違いだよ!勝てる気がしない。


不可思議「そ、そうだっ!うるる!私を助け.......って、いないし!!


あ、アイツ~・・・・!!

裏口から逃げやがったなぁぁぁぁ!



犬村「・・・さて。終焉の鐘は鳴らされた様だが.....何か言い残す事は?」



笠井「あ、俺はあの縛られてる奴を助けてくるよ」



不可思議「あ....あはは。えっと......」


犬村「もう1度聞く。ーーー言い残す事は?



不可思議「~~~~~っ!ば.....バーカ!!私を倒したところで鷲宮は絶対に救えないんだよお前らじゃ!!裏課にはまだまだヤバい奴が残ってるし!!だから.....さっさとクビになっちゃえバーカ!!



犬村「・・・・・・・・・・以上か?」



犬村は相変わらずのダンディボイスで呟くと


その拳を力強く硬めた。



犬村「女を殴るのは性に合わんが、仕方ない。俺の”犬パンチDX”を喰らうがよい」


不可思議「ひっ.....ちょ.....い、嫌......ってかアンタもう犬じゃな........」






犬村「歯を.........食いしばれぇ!!!





メキッ......



犬村が不可思議の腹に拳を振り下ろしてから数秒後


ゆっくりと膝から崩れ落ちた

セーラー服の少女がそこにいた。






黒夜「・・・・・・た、助かった」



笠井「・・・・お疲れさん。俺らのヒーロー」








犬村「ふん。相手が誰だろうと、大切な仲間を”取り戻すだけだ”