取り戻すだけだ (10/10)

ーおもちゃ箱裏口通路ー


笠井「あのゴスロリ女め....。裏口から逃げやがって....」


犬村「おい、黒夜。社長室の場所はわかるのか?」


黒夜「知らない。この会社はまるで監獄だ。自分達の”課”に閉じ込められ抜け出すはできないんだよ....」



犬村「監獄....か。確かに.....その通りかもしれんな....」


俺達はこの会社を回す歯車の一部として使われ、そして捨てられる。


この社会で、異端として扱われていた俺達。

社会不適合者と呼ばれ

恐れられ、忌み嫌われ、遠ざけられ。



これが.....俺の人生だったのか。

こんなものが.....俺の.....。



犬村「・・・・・・・・・・・っ」



笠井「おい、犬村....お前顔色が.....」



と。


突然犬村が何かを発見し走り出した。



笠井「犬村?どうした?」


犬村「ーーーあの小娘だ」


それは、血塗れで横たわるあのゴスロリ女だった。


黒夜「・・・・死んでいるのか」


犬村「いや、まだ微かに息がある。誰にやられたのか.....」











「あら~~~~~~~~~?ネズミが3匹迷い込んだみたいね~~~~~~~♡









笠井「ふぇ!?だ、誰!?」


黒夜「この声は....裏課の.....」


犬村「・・・・貴様か。この娘を傷付けたのは」


目の前に現れた、黒ドレスの女。


赤い唇が、ニタリと歪む。



錆金「だったらどうするのぉ?犬村ぁ♡」



笠井「に、逃げるよな!」


黒夜「も、もちろんだ。そんなゴスロリ女は放っておいて....」








犬村「ーーーいや、逃げぬ



笠井「はぁ!?お前バカか!?」


犬村「ここで逃げれば....この小娘はアイツに殺される。完全に」


笠井「いや、でも!そのゴスロリ女はさっきまで俺達を.....」


黒夜「そうだ!敵だったんだぞ!?」



犬村「だから何だ」




それでも俺達は......




”大切な社員”だろう。








犬村「貴様を倒そう。ドレスの女」



錆金「いいわぁ♪殺したくなっちゃう♡